アンリ＝ガブリエル・イベル ≪レスカムーシュ≫ 1896年
パリの片隅から──風刺と芸術が交差する、幻のポスター
アンリ＝ガブリエル・イベル（Henri-Gabriel Ibels, 1867–1936）による≪レスカムーシュ≫は、1896年に創刊された風刺週刊誌『L’Escarmouche（レスカムーシュ／小競り合い）』の広告ポスターとして制作された作品です。
労働者風の男たちと酒場のカウンター、窓越しに見える兵士の一団。これらを背景に、イベルはベル・エポックのパリの庶民生活と時代の不穏さを重ね合わせるように描き出しました。イベルの友人でもあるトゥールーズ＝ロートレックも本誌に寄稿しており、彼らはともに当時のパリの風景を、親密でありながらどこか皮肉を込めて記録しました。
このポスターは、当時の法制度の都合により路上掲示が許されず、「室内のみに掲示可能、販売可」とされた珍しい経緯を持ちます。掲載誌『レスカムーシュ』もわずか3ヶ月で終刊したため、本作は限られた期間にのみ発行された希少な一枚です。
本作はリトグラフ作品集『ポスターの巨匠たち（Les Maîtres de l’Affiche）』に収録され、右下には発行元によるブラインドスタンプ（エンボス加工）が施されています。
作品情報
画家：アンリ＝ガブリエル・イベル（Henri-Gabriel Ibels）
作品名：レスカムーシュ（L’Escarmouche）
制作年：1896年
状態：リトグラフ 『ポスターの巨匠たち』収録作品 ブラインドスタンプ入り
サイズ：約40.1 × 29.1 cm
Artist / Title：Henri-Gabriel Ibels / L’Escarmouche (Lithograph from Les Maîtres de l’Affiche, Plate 6, ca.1896)
※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。
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