


アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第3部第2章】(両面 No.109&110)
「胸に宿る光が、道しるべとなる。」
心に描いた面影は、果たして夢か、現か──。
愛と幻想に導かれた騎士ジャウフルは、いま確信する。
彼の旅は、名も知らぬ“彼女”を探し求める巡礼であったと。
ページを開けば、ミュシャの描く神秘的な幻視が、静かにその真実を照らし出す。
解説文
第3部第2章の終盤、主人公ジャウフルはついに心の奥底に潜んでいた「彼女」の面影に、輪郭と名を与える。
黄金の光に包まれた彼女の幻は、ユダの聖なる山々に向かって差し出された両腕と、胸に輝く十字の意匠によって表され、まるで聖なる啓示のように彼の行く先を示している。
それはもはや幻想ではなく、実在するひとりの女性──
その姿を思い描くことで、彼女の住まう宮殿や庭園までもがまざまざと現れ、芳香、光彩、音楽が五感に訴えるように描写される。
ミュシャはこのクライマックスにおいて、視覚と感情の両面から〈聖なる女性像〉の具現化を試み、アール・ヌーヴォーの線と象徴を駆使して、神秘と憧憬の融合を成し遂げている。
この章は、愛が魂の導き手となることを告げる、作品全体の転機でもある。
“見えないもの”を信じ続けた心が、ついに“見えるもの”へと変わる瞬間──それは読者自身の祈りや夢とも静かに重なり合う。
この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。
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作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵
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画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)
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制作年:1901年
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技法:カラーリトグラフ(両面印刷)
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サイズ:約 30×20cm(紙面)
※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。
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