


アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第1部第1章】(両面 No.11&12)
「その名を知らずとも、心はすでに知っていた──」
人を避け、祈りに没入する若者ジョフレ。その魂の奥底で、彼はすでにある女性の面影に惹かれはじめていた。名も知らぬまま、ただその瞳と気配を記憶に刻みながら。
作品解説
この場面は物語冒頭、第1部第1章の終盤にあたります。主人公ジョフレの内面的葛藤と精神的傾斜が描かれ、彼が理想の女性像に向けて心を開き始める重要な場面です。
語り手である修道士アダルベールは、ジョフレの孤高な性格と「女性を避ける傾向」に一抹の不安を抱いています。人との交わりを避ける彼の姿に、語り手は「セラフィム(熾天使)」と呼ばれるほど純粋で近づきがたい印象を重ねつつも、その純粋さゆえの危うさを案じます。実際、ジョフレは密かにある女性の存在に心をとらわれはじめており、それが誰かを語ることなく、自らの感情の正体すらも認めきれないまま、心は揺れ始めています。
装飾の中に描かれた一輪の花と絡み合う茎は、抑えきれぬ情動の象徴のようでもあり、アール・ヌーヴォー様式における「内なる感情の植物化表現」を体現しています。
この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。
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作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵
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画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)
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制作年:1901年
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技法:カラーリトグラフ(両面印刷)
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サイズ:約 30×20cm(紙面)
※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。
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