


アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第3部第3章】(両面 No.121&122)
長い旅路の果てに、イルゼはついに運命の再会を果たします。白百合に包まれた寝台に横たわる青年の姿――それは遠い昔から彼女の心を占めてきた“海のような眼”を持つ人。目を閉じていても、イルゼはその面影を確かに知っていると語ります。夢と現の境界が曖昧になるなか、彼女は静かに「これは私の友です」と告げ、誰にも触れさせまいとするのです。
作品解説
この場面では、イルゼの内的世界と外的現実とが重なり合い、物語が幻想的なクライマックスに向かっていく様子が描かれています。121ページの挿絵では、花々に囲まれまどろむように横たわるイルゼの姿が繊細に描かれ、彼女の愛と夢の象徴としての“眠れる青年”の存在が詩的に語られます。122ページでは、イルゼが彼の眼差しを「海のように深く優しい」と述べ、実際に出会ったことがなくてもその魂を知っていたと語る場面が印象的です。
アール・ヌーヴォー特有の植物文様に囲まれたこの挿絵群は、愛と運命、時間を超えた魂の結びつきをヴィジュアルに象徴しています。特に、下段のリトルネロのような花の連なりは、時の流れや生命の循環をも暗示しており、本作が単なる恋愛物語にとどまらず、神話的・象徴的な深層をもつことを示しています。
このページを読むとき、私たちはイルゼの視点に導かれ、ひとつの夢の終着点に立ち会っているかのような感覚を覚えるでしょう。
この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。
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作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵
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画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)
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制作年:1901年
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技法:カラーリトグラフ(両面印刷)
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サイズ:約 30×20cm(紙面)
※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。
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