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アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第1部第2章】(両面 No.23&24)

セール価格¥33,000

うたかたのように現れては消える言葉たち。夢と現のあわいで囁かれる詩の声は、目に見えぬ「何か」を讃えながら、聴く者の心をそっと包みこみます。本章終盤、詩の朗読とともに舞台は幻想へと傾き、三人の若者たちが「詩のしもべ」として登場します。彼らの姿、彼らの奏でる旋律、そして語られる「知らぬこと」の美学。いま、語りの空間は神秘の光に満たされてゆきます。


作品解説

No.23には、夢幻的な詩の一節が登場します。「何を聞いたのか、私は知らぬ」という繰り返しの構文が印象的で、すべてが曖昧でありながらも、豊かな象徴に満ちています。語り手は、森の影、波のざわめき、乞食の呟き、囁く鳥たちの声といった自然や人間の断片的なイメージを拾い集め、それが「同じ名、同じ言葉」に帰結していたと告白します。それは愛か、神秘か、あるいは芸術そのものでしょうか。「知らぬ」ことへの陶酔が、アール・ヌーヴォーの装飾と呼応して詩的な無意識をかたちづくっています。

No.24では、三人の若者たちが登場し、詩を朗読する場面へと移ります。彼らは秋の枝葉の色に染まり、冬の哀しみを湛えた眼差しを持つ、まるで四季を纏った精霊のような存在です。彼らの語る詩の中では、人生の儚さ、時の流転、そして自然界の静けさが語られます。アザラシのように滑らかに、彼らの指はバラの枝を撫で、目は遠く、見えぬものを見つめるのです。

これらのページは、本書『トリポリの姫君イルゼ』における最初の転調ともいえる部分であり、物語から象徴詩の領域へと読者を導く詩的跳躍が見られます。物語世界に深く浸る読者にとって、この詩の瞬間は、ひとときの静かなまどろみ、または啓示の幕開けなのかもしれません。

この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。

  • 作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵

  • 画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)

  • 制作年:1901年

  • 技法:カラーリトグラフ(両面印刷)

  • サイズ:約 30×20cm(紙面)


※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。


関連リンク

作品を詳しくお知りになりたい方はリボリアンティークスの特集ページ(別サイト)をご覧ください。

《アルフォンス・ミュシャと『トリポリの姫君イルゼ』|物語と挿絵の魅力》

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アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第1部第2章】(両面 No.23&24)
アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第1部第2章】(両面 No.23&24) セール価格¥33,000

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