


アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第1部第3章】(両面 No.31&32)
春の果樹園をゆく昼下がり、ジャウフレは日々、花の香に導かれるように歩いていました。優しく香る果実の色、桃やリンゴに宿る雪のような白。けれど彼が何より愛したのは、花そのもの──その魂に触れることでした。
作品解説
本作は『トリポリの姫君イルゼ』第1部第3章の挿絵として描かれた一場面で、主人公ジャウフレの内面世界が詩的に綴られます。庭園を愛し、草花ひとつひとつに魂を見出す青年の繊細な感受性が、美しい植物装飾とともに表現されています。画面上部には葡萄の房を思わせる装飾帯があしらわれ、下部にはハスのような花が連なり、ミュシャらしい自然讃歌が縁を彩ります。
横たわる女性像は春の象徴あるいは自然の精霊とも解釈され、彼の想像の中の「理想の女性」の化身と見ることもできるでしょう。アール・ヌーヴォー特有の柔らかな曲線と穏やかな色彩が、作品に夢幻的な美しさを添えています。
この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。
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作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵
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画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)
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制作年:1901年
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技法:カラーリトグラフ(両面印刷)
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サイズ:約 30×20cm(紙面)
※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。
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