


アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第2部第1章】(両面 No.53&54)
アフリカの陽光が降り注ぐ浜辺の林のなか、若き娘たちの一団が笑いさざめきながら歩みを進めています。南国のパルムの葉が穏やかに風に揺れ、地平線には濃い緑のシルエットが影を落としています。彼女たちは、海へと向かう途中。無邪気な会話と戯れのなかで、姫君イリゼーの物語は新たな幕を開けます。
作品解説
第二部の冒頭となるこの場面では、物語の舞台が一転し、エキゾチックなアフリカの風景が広がります。53ページの絵画的な装飾では、色とりどりの衣をまとった若い女性たちが登場し、これまでの荘厳な中世的世界観から一転して、より軽やかで明るい雰囲気が漂います。中央のアーチ型の装飾には、植物文様とともに躍動感のある人物群像が描かれ、視覚的にも第二部の新たな始まりを印象づけます。
本文に描かれるのは、旅の途中の何気ない会話です。しかし、その背景には姫イリゼーの存在が感じられ、彼女の恋や思いが暗示されていきます。54ページでは、若い娘たちがイリゼーを讃えたり、彼女が愛する人物に言及するなど、物語の核心に向かう微かな予兆がちりばめられています。
アール・ヌーヴォー風の植物装飾と、物語の甘美なトーンが見事に融合したページ構成は、本作がただの挿絵付き本ではなく、「視覚と物語が融合した総合芸術」であることを改めて示しています。
この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。
-
作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵
-
画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)
-
制作年:1901年
-
技法:カラーリトグラフ(両面印刷)
-
サイズ:約 30×20cm(紙面)
※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。
関連リンク
作品を詳しくお知りになりたい方はリボリアンティークスの特集ページ(別サイト)をご覧ください。
額装オプション
本作品は、通常は未額装でのご提供となっておりますが、ご希望の方には当ギャラリーにてカスタム額装プランをご案内しております。
紫外線カットアクリルや美術的調和を重視した内容となっており、詳細・価格はこちらからご覧いただけます。
▶ [額装プランのご案内(PDF)]
ご注文時に「額装希望」とご記入いただくか、お気軽にお問い合わせください。
額装オプションのご案内
本作品は、作品本来の魅力をそのままにお楽しみいただけるよう、通常は未額装でのご提供となっております。紙の保存性やコレクション用途も考慮した形です。
ご希望のお客様には、当ギャラリーにて選定・ご提案するカスタム額装プラン(別途料金)をご案内しております。美術的なバランス、作品の色味、インテリアとの調和を考慮したフレーミングが可能です。
- 木製フレーム、金箔装飾フレームなど各種対応
- 紫外線カットアクリル使用(保存性重視)
- ご希望のサイズや設置環境に応じたご提案
ご注文時に「額装希望」とご記入いただくか、別途お問い合わせください。最適なフレーミングで、作品の魅力を最大限に引き立てるお手伝いをいたします。
紫外線カットアクリルや美術的調和を重視した内容となっており、詳細・価格はこちらからご覧いただけます。
▶ [額装プランのご案内(PDF)]
コンディションについて
本作品は、100年以上前に制作されたオリジナルのアンティーク版画です。
リボリアンティークスで取り扱う作品は、すべて当時に刷られた美術的価値のある本物の作品であり、後世の複製やコピーではありません。
アンティーク版画はその性質上、現代作品のような個別の鑑定書が付属することはほとんどありません。
そのため、どこで購入するか、作品の選定を誰が担っているかがなによりも重要となります。
リボリアンティークスでは、長年にわたり美術館・専門家との連携を重ねた信頼のもと、慎重な選定を行っております。
安心してコレクションに加えていただける作品だけをご紹介しております。
経年による自然なヤケやシミが見られる場合がございますが、それらもまた作品が辿ってきた時代の証であり、素材や技法の風合いを今に伝える要素です。
状態については、画廊にて実際にご覧いただくことも可能ですので、気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。
店舗・信頼性について
リボリアンティークスでは、東京国立博物館・大英博物館への貸出実績を持ち、美術館クラスの選定基準で作品をご紹介しております。
安心してご購入・コレクションいただける体制を整えています。
コレクション形成やご相談もお気軽にお申し付けください。
オプションを選択


