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アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第2部第1章】(両面 No.61&62)

セール価格¥33,000

風が止み、空はゆっくりと夕暮れの色に染まる。
それは、内なる祈りが言葉をもたずして胸に満ちるような、沈黙の時間だった。

イルゼ姫は語る。戦への恐れではなく、むしろ戦士たちの美しさ、信仰の強さ、そしてそれに身を投じられない自らの運命こそが、胸のうちを満たしているのだと――。

柔らかな装飾のなかに記されたのは、語られぬ祈りと、遠く戦場へ向かう者たちへの憧憬。彼女の言葉は煙のように淡く、香のように奥深く、まるで目に見えぬ願いの花束のように漂います。


作品解説

この場面では、イルゼ姫の精神的な内面が繊細に描かれます。祈りのことばが明示されることはなく、それがむしろ「語ることのできない思い」として、香や光、色彩によって象徴的に語られます。

彼女の心を満たす祈りとは、固定された宗教的形式ではなく、自然の美や感情の波に呼応する、個人的で詩的な体験そのものです。「赤い藻に満ちた海辺の花々を摘み取るように」と形容されるその行為は、まさにイルゼの存在そのものの純粋さを象徴しています。

また彼女は、聖地を奪還するため戦う十字軍の戦士たちに憧れを抱きますが、単に戦の栄光に魅了されているのではなく、信仰に生きる者の強さ、あるいはその道に立てない自身の「女」としての制約に対して、静かに葛藤しているのです。

挿絵では、イルゼがディエルダ(Djelda)に寄り添いながら語らう姿が描かれ、2人の間にある情緒の機微と、絵巻物のように展開する装飾的背景が、まさにこの物語の詩情を引き立てています。

この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。

  • 作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵

  • 画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)

  • 制作年:1901年

  • 技法:カラーリトグラフ(両面印刷)

  • サイズ:約 30×20cm(紙面)


※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。


関連リンク

作品を詳しくお知りになりたい方はリボリアンティークスの特集ページ(別サイト)をご覧ください。

《アルフォンス・ミュシャと『トリポリの姫君イルゼ』|物語と挿絵の魅力》

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アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第2部第1章】(両面 No.61&62)
アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第2部第1章】(両面 No.61&62) セール価格¥33,000

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