


アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第2部第3章】(両面 No.87&88)
巡礼者の言葉、そしてイルゼの問いかけ
旅を終えた巡礼者たちが、プリンセス・イルゼの前で語るのは、彼らの霊的な旅路の記憶でした。神の足跡を求めて踏みしめた聖地の土、そこに流れた涙と信仰の記憶。イルゼはその話に耳を傾け、やがて静かに問いを投げかけます。苦しみと祈りの道がどのような風景を通ったのか、彼女はその“痛みの地図”を心に描こうとするのです。
作品解説
この見開きでは、物語が巡礼者の口から語られる回想の場面に入り、霊的な旅の核心が明かされます。87ページでは、復活の象徴である天使たちが装飾として天上に並び、下部には翼を広げた女神像と朝焼けの風景が描かれ、巡礼の神聖性と日の出=新生のイメージが視覚的にも強調されています。
語りの中で巡礼者たちは、イエス・キリストが埋葬された聖地に跪き、マリアの涙が落ちた地に祈り、そして主の足跡を探して過酷な風景を旅してきたことを語ります。88ページでは、野薔薇の花々がページを囲み、苦難の中にある純潔や献身を象徴しています。
巡礼者たちは、愛する者のそばにいながらも義務と信仰のために旅立つ覚悟を語り、そして自らが歩んできた地で感じた痛みと祈りを伝えます。イルゼはその話に深く感応し、彼らの歩んだ「苦難の風景」を想像しようとします。このページでは、彼女の精神的成長と信仰への目覚めが、物語の核心へと静かに導かれていきます。
この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。
-
作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵
-
画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)
-
制作年:1901年
-
技法:カラーリトグラフ(両面印刷)
-
サイズ:約 30×20cm(紙面)
※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。
関連リンク
作品を詳しくお知りになりたい方はリボリアンティークスの特集ページ(別サイト)をご覧ください。
額装オプション
本作品は、通常は未額装でのご提供となっておりますが、ご希望の方には当ギャラリーにてカスタム額装プランをご案内しております。
紫外線カットアクリルや美術的調和を重視した内容となっており、詳細・価格はこちらからご覧いただけます。
▶ [額装プランのご案内(PDF)]
ご注文時に「額装希望」とご記入いただくか、お気軽にお問い合わせください。
額装オプションのご案内
本作品は、作品本来の魅力をそのままにお楽しみいただけるよう、通常は未額装でのご提供となっております。紙の保存性やコレクション用途も考慮した形です。
ご希望のお客様には、当ギャラリーにて選定・ご提案するカスタム額装プラン(別途料金)をご案内しております。美術的なバランス、作品の色味、インテリアとの調和を考慮したフレーミングが可能です。
- 木製フレーム、金箔装飾フレームなど各種対応
- 紫外線カットアクリル使用(保存性重視)
- ご希望のサイズや設置環境に応じたご提案
ご注文時に「額装希望」とご記入いただくか、別途お問い合わせください。最適なフレーミングで、作品の魅力を最大限に引き立てるお手伝いをいたします。
紫外線カットアクリルや美術的調和を重視した内容となっており、詳細・価格はこちらからご覧いただけます。
▶ [額装プランのご案内(PDF)]
コンディションについて
本作品は、100年以上前に制作されたオリジナルのアンティーク版画です。
リボリアンティークスで取り扱う作品は、すべて当時に刷られた美術的価値のある本物の作品であり、後世の複製やコピーではありません。
アンティーク版画はその性質上、現代作品のような個別の鑑定書が付属することはほとんどありません。
そのため、どこで購入するか、作品の選定を誰が担っているかがなによりも重要となります。
リボリアンティークスでは、長年にわたり美術館・専門家との連携を重ねた信頼のもと、慎重な選定を行っております。
安心してコレクションに加えていただける作品だけをご紹介しております。
経年による自然なヤケやシミが見られる場合がございますが、それらもまた作品が辿ってきた時代の証であり、素材や技法の風合いを今に伝える要素です。
状態については、画廊にて実際にご覧いただくことも可能ですので、気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。
店舗・信頼性について
リボリアンティークスでは、東京国立博物館・大英博物館への貸出実績を持ち、美術館クラスの選定基準で作品をご紹介しております。
安心してご購入・コレクションいただける体制を整えています。
コレクション形成やご相談もお気軽にお申し付けください。
オプションを選択


