


アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第2部第3章】(両面 No.89&90)
神秘の光に包まれた聖地の旅。
―これは、祈りと回想が交差する、巡礼者たちの幻想的な語らい。
《トリポリの姫君イルゼ》の物語も終盤を迎え、舞台は聖地エルサレムへ。
巡礼の中で語られるのは、かつて神が歩んだという地の記憶。
そこには、涙と祈り、永遠の言葉が刻まれていました。
【作品解説】
本挿絵は、89–90ページにかけて描かれた物語の一場面です。
巡礼者たちは、イエスが歩んだとされる聖地で祈りを捧げます。
彼らの目には、ベツレヘムの歌や、ゲッセマネの園のクローバーに染みついた血の記憶が浮かび上がり、やがてその感情は言葉となって静かに語られます。
90ページでは、老巡礼者が涙を流し、姫君イルゼはその涙の理由を問います。
「主が我らの祈りを聞き届けてくださらなかった」と答えるその姿には、信仰と絶望が交錯する静かな余韻が漂います。
ミュシャによる図像は、宗教的象徴とアール・ヌーヴォーの装飾が融合し、絵画と物語を超えた精神性を湛えています。
特に90ページのグリーンを基調とした人物表現は、信仰そのものを擬人化したような神秘性を放っています。
この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。
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作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵
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画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)
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制作年:1901年
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技法:カラーリトグラフ(両面印刷)
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サイズ:約 30×20cm(紙面)
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