


アルフォンス・ミュシャ『トリポリの姫君イルゼ』挿絵【第2部第3章ラスト】(両面 No.93&94)
星降る海辺に、夢と祈りを見送る──
異国の姫イルゼは、巡礼たちの語る神の物語に耳を傾けながら、静かに幻想の地へと別れを告げます。
作品解説
第2部第3章の終盤、イルゼ姫と巡礼たちの対話は静かな幕引きを迎えます。
巡礼たちは祈りと涙の旅を終え、再びフランスへと帰還する時を迎えました。姫はその言葉を黙って聴き、ただ神秘的な微笑をもって応じます。白鹿が牽く輿に乗り、波打ち際まで彼らを見送った姫の姿は、まるで夢に咲く幻影のようです。
去りゆく船を見つめる姫の足元に、白い波が寄せては返し、彼女の視線は遥かなる水平線の彼方へ──。
そして、最後の場面では巡礼たちが姫の美しさを讃え、あたかも聖人のように語ります。彼女の存在は、楽園のような館に光をもたらす奇跡であり、別れの悲しみさえも柔らかな詩情へと昇華させていきます。
挿絵には、海を臨む場面や、慈しみに満ちた姫の姿が描かれ、ミュシャならではの象徴的装飾──星、花々、唐草模様──が物語に優美な余韻を添えています。イルゼ姫の心象風景と交差するように、装飾の中に夢と祈りの道が浮かび上がります。
この作品は、1901年にドイツ語で出版された豪華挿絵本『トリポリの姫君イルゼ』に収録された1枚です。
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作品名:「トリポリの姫君イルゼ」より挿絵
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画家:アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha, 1860–1939)
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制作年:1901年
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技法:カラーリトグラフ(両面印刷)
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サイズ:約 30×20cm(紙面)
※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。
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