テオフィル・スタンラン ≪黒猫とカエル≫ 1898年 『猫たち』より アンティーク版画

黒猫とカエル、静かなる対話──ユーモアと文化の交差点に生まれた1枚。

テオフィル・スタンラン（Théophile-Alexandre Steinlen）は、19世紀末のパリで活躍した画家・版画家であり、猫の表現において右に出る者はいません。本作≪黒猫とカエル≫は、1898年に刊行された作品集『猫たち（Des Chats）』に収録された一作で、台詞のない“サイレント漫画”形式で展開されます。

カエルに興味津々な黒猫がじゃれつこうとするものの、思わぬ反撃を受けて池に落ちてしまう──。ユーモラスでありながら、構図の洗練された展開に、スタンランの観察眼と描写力が光ります。

とりわけ注目すべきは、最後の一コマに描かれたカエルのポーズ。この構図は葛飾北斎の『北斎漫画』を想起させるもので、アール・ヌーヴォー期の欧州におけるジャポニスムの影響を如実に物語っています。エミール・ガレなども模写したこの姿勢が、異文化交流の結晶として静かに微笑みかけます。

猫とカエル、そして北斎──東西の美学が交錯する一枚です。

作品情報

画家： テオフィル・スタンラン（Théophile-Alexandre Steinlen）
作品名： 黒猫とカエル（Le Chat et la Grenouille）
制作年： 1898年
状態： アンティーク版画　1枚
サイズ： 約44 × 31 cm

Artist / Title： Théophile-Alexandre Steinlen / Le Chat et la Grenouille (Antique Print, 1898)

※画像中の額装は参考イメージです。額装につきましてはお問い合わせください。

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黒猫とスタンラン（別サイト）

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